2010/11/03

カールラーションとこどもたちの絵




 

 現在でも日本で人気のある絵画は、モネ、ドガ、ルノワール、セザンヌといった印象派が占めています。この19世紀後半、フランスを中心に広まった印象派絵画は、室内の肖像画や神話の物語あるいは宗教画から解放され、戸外の光のおりなす自然の陽光と人物を題材とした絵画をキャンバスに描き出しました。そして、平面的で非対称で装飾的な日本の浮世絵等の画法を取り入れ、絵画そのものに大変革をもたらしました。

 この時代は日本で明治維新がおこり、江戸時代の多くの浮世絵がヨーロッパにわたり、1878年パリの万国博覧会にも多くの日本の絵画、陶磁器、工芸品が展示され、これらの作品が印象派の画家たちに強い影響を与えました。


  後期印象派とよばれるゴッホは浮世絵の色使いを、ゴーギャンは平面的な輪郭線を特徴としています。ルノアールもまた浮世絵の着物やその色彩を取り入れ、また、印刷技術の向上でポスターがデザイン芸術の一分野として確立され、ベルエポックを代表するロートレックやミューシャのポスターはジャポニズムの代表として時代の寵児となりました。


 世紀末、1895年パリのプロヴァンス街にサミュエル ビングがアール ヌーヴォー「新しい芸術」と名づけた画廊を開き、これが日本美術、浮世絵や北斎漫画などの影響を受けた19世紀末のヨーロッパ装飾芸術を総称するものとなっています。

 この時代のフランスは普仏戦争に敗れたものの、海外に多くの植民地を持ち、芸術,文化の大国であり、パリはフランスの首都であると同時に世界の首都であり、特に絵画や工芸品、文学、建築などの流行の中心地でした。


 ゴッホと同じ年1953年に生まれたスエーデンの画家にカール ラ−ションがいます。  1882年パリに行き,印象派につながる外光主義の技法を学び、1899年代表作『私の家』の画集で、日本美術の影響のみられる画風でなにげない生活や楽しそうな家族の日常を描き、スウエーデンにおける最も有名画家、ジャポニズム派画家とよばれています。


 このジャポニズムの影響をうけた、アール ヌーボーの装飾主義、曲線を多用したと自然主義の生きものの描写の時代、世紀末に輝きの絶頂をむかえたベル エッポックは急速におわりをむかえました.20世紀にはいると、装飾を排した幾何学的造形のドイツのバウハウスの芸術教育やロシア構成主義に流行は移り、そして、世界は大国間の対立から第一次、第二次世界大戦へとすすんでいきました。