2008/10/23

変形性膝関節症

変形性膝関節症

 

 生物が大型になると、体重を支えるため脚は太くなってきました。そして,大地を自由に走り回るため曲げ伸ばしがスムースにいく機能が必要になり、膝にはクッションであるコラーゲン繊維でできた半月板と関節軟骨が備わっています。

 

 年齢とともに、この軟骨が摩耗し、変形するのが、変形性膝関節症です。高齢になると特に女性ではO脚の人が多くなり,膝の内側の軟骨がすり減り変形をおこします。

 初期には,痛み止めや湿布で,階段をさけ,重いものを持たず、減量をして治療できます。

 ある程度進行すると、ヒアルロン酸の関節内注射やリハビリテーション、大腿四頭筋訓練をします。

 さらに進行し、軟骨の傷みが強い場合,人工関節置換術を行います。

 

 膝の関節のクッションの役目をする半月板は,若い人でも運動による損傷が多く、プロ野球選手もこのために手術をすることもまれではありません。また,高齢の変形性関節症に合併することも多く、MRIで診断され,関節鏡で治療されます。

 

 膝にはその他、靱帯が7本あり,そのうち内側の側幅靭帯はけがで最もいためやすく、十字靭帯は膝をぐらつかないように安定にしている靭帯でスポーツなどの外傷でこれが断裂すると、手術治療が必要なこともしばしばあります。

2008/10/20

骨粗鬆症

高齢女性の寝たきりの原因で最も多いのは骨粗鬆症によるものです。

 

骨は、コラーゲンという支持組織にカルシウムとリンが結晶状にくっついたもので、この構造が重力のかかる地上の生活を可能にしました。海水のカルシウムを骨の中に取り込み、海から離れた地上での生活を可能にしたとも言えます。

 

 骨は破骨細胞で日々破壊され、骨芽細胞という細胞が骨を毎日つくって、この吸収と形成のバランスで骨の硬さ、構造が保たれています。

 

年をとっても、骨は十分つくられます。しかし、壊れることとつくることのバランスが悪くなると、骨はもろく、弱くなり、骨粗鬆症になります。

 

骨が弱くなると、日常生活のなかで、簡単に背骨はつぶれてしまい、次第に背中が曲がってきます。そして,転べばすぐに骨折を起こし,特に大腿の頚部にこれが起きると手術が必要になり、時には寝たきりの原因になります。

 

もし、この骨の弱くなる原因のカルシウムの流出が防げれば、骨密度は高く、丈夫な骨が保たれます。現在は、その作用のある薬として、女性ホルモンやビスフォスフォネートなどが使われています。  そして、成長ホルモンやさらに強力な薬剤が開発されもうすぐ実用化される段階にあります。

 

いずれにしても、最も重要なことは、毎日動いて、歩いて,散歩して骨に負荷をかけることです。歩くだけで,筋肉も骨も強化され、運動も巧みになり骨折の予防になります。

2008/10/12

動脈硬化

動脈硬化

 

 生物が大型になると、酸素が体の表面からは、直接全身には届きません、そこで中のほうにある細胞に酸素を配達するものとして血を流す管、血管ができました。 

 樹木の枝分かれに似た構造で、心臓から血液を全身に送りだします。まず心臓から直径2−3cmの大動脈がでて、それから枝分かれして動脈になり全身に行き渡ります。

 

 年齢ともにこの血管はもろく固くなりやすく、それを動脈硬化といいます。心臓に栄養を送る冠動脈は細くなれば、狭心症、つまれば心筋梗塞をおこします。脳の動脈にも塞栓症や血栓症、脳出血をおこします。

 

 時々マラソン大会の途中で心筋梗塞で死亡する人や,何の前触れも無く心筋梗塞はおこることがあります。急性冠症候群と呼ばれています。この病気をおこすもとが、動脈硬化です。

 動脈硬化は、喫煙、高血圧、糖尿病、高LDL(悪玉コレステロール)血症などがあり、今メタボリックシンドロームとして有名になっています。

 いままで総コレステロールが高いと大変だといって治療されていましたが、詳しい研究から、HDL(善玉コレステロール)は高い方がよい、女性は高齢になると悪玉コレステロールが高くなるが、心筋梗塞はそれほど多くない。ことなどがわかってきました。

 

 

 検査は症状や心電図の異常があれば、CTでも直接冠動脈をみることができます。そして、細い管(カテーテル)を心臓まで血管の中を通し、もし狭ければ風船状のバルーンで狭いところを広げます。さらにこれが塞がらないようにステントといって金属でできた管でトンネルを補強します。また風船で膨らまない時は、つまった部分を削ったりします。

 これからの寒い季節,中年になれば、マラソンもときには心筋梗塞をひきおこします。ご用心を。

痛みについて

痛みについて

 

 痛みを感じるのは神経系の重要な役割です。神経の原型は、クラゲではじめて出来、その後の進化で、魚類では中枢が頭部に移って、ほ乳類ではさらに脳は大きくなり痛みを感じたり、刺激を伝えるだけでなく夢や意識まで生み出すようになりました。

 手先や足先の神経は、背骨の中にある脊髄という神経の束になり、そして脳の中枢神経で痛みとして感じます。

 脚が痛くなる座骨神経痛は腰のところで神経が圧迫されておこり、手や肩の痛みは首の神経の圧迫でおこります。

 肩こりのひどい人は、この首で神経が圧迫されていることがよくあります。

 ファントム ペインという幻の痛みもあります.これは実際には無い場所の痛みを感じることをいいます。たとえば、足を切断し失った部分にあたかも足が残っているかのように痛みを感じるわけです。

 最近話題になっている痛みに繊維筋痛症があります。リウマチに似ているものの関節では無く、全身の筋肉の痛くなる病気です。全身の広範囲にわたる痛みで、体の圧迫で痛く感じる場所が18カ所のうち11カ所以上あるもの。これが,3ヶ月以上にわたって続くものをいいま今のところ原因は不明で、良い薬も日本では発売されていません。

不整脈

整脈

 

 ある小学生が、小さいころから、何度も意識を失って倒れ、てんかんとして治療されていました。ホルター心電図という検査で意識がなくなるのは、不整脈によるものとわかり、ペースメーカーの治療をしました。

 不整脈がおこり、血液が全身に送られず、当然、脳へも血液がながれず、意識を失ってしまったからで、てんかんはありませんでした。

 動物は、心臓のポンプを規則正しく拍動させ全身に血液を送り出しています。哺乳類の心臓は一生の間に、20億回拍動します。ゾウは人よりもゆっくりしたリズムで、動き、ねずみはやく拍動します。人では平均1分間に60回です。このように決められた回数を、規則正しいリズムで一生の間に20億回も拍動させるポンプが我々の心臓です。この驚異的な正確さと耐久性は心臓を動かす刺激伝導系のシステムうまく働くためです。

 不整脈というのは、これがおかしくなって、脈がつかえたり、かってに速くなったりするものをいいます。

不整脈の診断は心電図ができて、簡単に発見できるようになりました。その後、運動しているときの心電図を調べるマスター法やトレッドミル法、24時間心電図を記録するホルター心電図ができ、よりくわしく不整脈を分析できるようになりました。

最近ふえている不整脈に心房細動といって心臓の一部心房だけが規則的ではなく震えるように動く病気があります。長島監督や小渕首相もこの病気で,一番の問題はこの心房の中に血の固まり、血栓ができて脳に飛んで,血管が詰まる脳塞栓をおこすことです。

予防のために,血液をさらさらに保つ薬、ワーファリンが必要となります。 

もう一つ,怖いのは心室性不整脈で,心室細動は心臓の筋肉がけいれんしたようになり,血液が全身にながれなくなるもので、心臓マッッサージとAEDが必要になり,救命される人も増えてきました。

心筋症や心筋梗塞が無いのに、心室性不整脈を起こしやすいブルガダ症候群が最近注目されています。これらのうちで、再発性の心室性不整脈は突然死予防のために、埋め込み型の除細動器も開発されています。