ジャイアントパンダは食肉目に分類されるクマの一種で、普通のクマの多くは雑食性である。パンダは、それを極端にして、ほとんど竹だけを食べている。中国西部の山の中の深い薮の中で、生存空間を見つけて住んでいる。この空間では、敵に襲われる心配がなく、一日10時間以上座り込んで竹を食べて生活している。
その竹の食べ方は、座って、前足で、竹の茎をつかみ、その若い葉の柔らかなところだけを食べている。進化の過程で、パンダの指は5本ありその外に6本目の指がひとがものを掴む親指のような働きをして、竹の茎をつかんでいる。
クマは、日本中で人里にでて、いろいろ問題を起こしているのを見てわかるように、後ろ足で立って、前足をつかって食べ物を食べる、その時親指の外の新しい指を使っている。これは解剖学的には 手首の橈骨の種子骨と呼ばれる骨の周りの筋肉が発達して、親指の機能をはたしている。パンダではこの種子骨が大きくなり、他の指の中手骨のほぼ同じ大きさになった。進化の過程で種子骨の過成長が起こり
竹の茎をうまくつかむための第六番目の指になった。
ダーウインは南米の沖の島で陸ガメや、フィンチという小鳥を観察した。南米大陸に共通の祖先を持つこの鳥たちは、海に隔てられた島、競争者のいないガラバゴス島に渡った。これらのフィンチはくちばしの形を多様に進化させ、あるものは種子をかみ砕く形に、あるものは昆虫を食べる形に、さらに植物から昆虫を撃退するのにサボテンの針をくわえてうまく処理する型を生みだした。ダーウインはこのフィンチの新しい種への進化の生きた実例を旅行中に観察し、記録した。この鳥の小さな変異に自然淘汰が作用し、それが徐々に蓄積されて進化して、新しい種が生まれる様子が観察された。そして、突然変異による少しの個体間の変異が新たな表現形を生み出し、もし環境に合えば、その遺伝子は集団全体に広がって行くというダーウインの進化論が生まれた。
その後、ダーウインの説は受け入れられた。そしてワトソンとクリックが遺伝子のDNAの二重構造を発見しそれが、生物の複製の基礎であることを発見した。このコピーの一部が間違うことによって突然変異が起こることがわかった。生物はこの遺伝子、生物の個体、種で成り立っている。遺伝子は個体を作る設計図で、個体は生物の種をつくるブロックで、何が自然淘汰を受けるのか、どんな進化のプロセスが地球上の生物多様性をを生み出すものが何かは不明のままであった。
リチャード ドーキンスは「利己的な遺伝子」で「遺伝子は自己のいっそう多くの複製を作ろうと努める」「からだというものは、遺伝子が遺伝子を変化しないまま保存する方法である」「われわれは生存機械、遺伝子という名の利己的な分子を保存すべく盲目的にプログラムされたロボット機械である。」と主張した。
しかし実際は遺伝子が直接自然と対応して、自然淘汰にさらされることはなく、生物の体が、自然に対応して、それに適応した生物、からだが生き残る。
進化生物学が明らかにしたのは、37億年前に生命が誕生し、20億年前に、光合成で酸素を作り、6億年前に最初の動物が姿を現した。生命誕生以来環境の大変化による生物大量絶滅が何度も起こり、その度に地球上の支配者は交代した。それにもかかわらず生物多様性は上向きのカーブでを描いて生物の種は増加している。その理由の一つに大陸の移動がある。かつて一つの大陸であったパンゲアが分裂し、現在に近い生息域ができ上がった。そして気候の安定した熱帯雨林は、多くの生物種が狭い環境に特殊に進化適応し、ニッチを埋めていった。そして、特殊に進化した、奇妙な美しい生物を生み出した。その深い緑の中で、珍奇な鳥、植物、珍しい昆虫、様々な色のカエルや爬虫類そして哺乳類など多種多様な生き物が生息している。
熱帯で多いラテライトと呼ばれる赤い土は、鉄やアルミが多く含まれた土壌で、栄養分は多くない。この土で植物が生きるためには、表面の薄い層にあるカルシウムやリンを吸収するその薄い層に根を伸ばし、微生物の助けを借りてカルシウム、リン、カリウムを吸収する。一方、乾燥地帯では、塩分は地表に集まってしまう。この中間の地域サバンナには程よく風化した土と、動物に欠かせない多くのリン、カルシウム、ナトリウムを含んでいる
人間の祖先を辿ると、アイアイやキツネザルといった原猿類が7000万年ほどまえに現れ、クモザル、オナガザル、テナガザルが熱帯雨林の樹々の間の空間に適応し進化を遂げ、やがて大型の類人猿であるオランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボと進化し、やがて人類は誕生する。そしてゴリラやチンパンジーの暮らす熱帯雨林から、サバンナの草原地帯に木から降りた人類が定住し、やがて世界中に広がっていった。
アフリカ大陸ユーラシア大陸を出てアメリカ大陸に渡った人々が移り住んだ地域では、マンモス、バイソン、ラクダ、トラなど大型哺乳類の70から80%は絶滅した。そして海を渡った人々は、インド洋のマダガスカル島、スリランカ、太平洋の島々、ニュージーランド、オーストラリア、ハワイなどのポリネシア、ミクロネシアの島々で生活し大型哺乳類、鳥類、爬虫類を食べ尽くし大部分が絶滅した。
人類の活動が原因となって、現在の大規模な種の絶滅期が始まった。