どのようにして動物が世界をとらえ、宇宙を想像しているのか、どのように人類が夢をもち、物語をつくっているのか、脳の中の世界がかなりわかってきました。視覚、聴覚、臭覚 味覚、触覚の五感による外からの刺激を感じて、神経が脳に伝達し、それを脳がどのように扱うかがわかってきたからです。
見ることは、電磁波をとらえて、日の網膜が反応し、これが神経を通って、脳まで届く、これを脳が反応し、何をみているかを理解します。たとえばカエルの目は外の景色のうち、動いているものだけとらえます。もし好物のハエでも動かなければ見えないし、カエルにとってこの世に存在もしません。ハエも動いてはじめてカエルの世界にあらわれます。
爬虫類や恐竜も日の網膜で光を感じる能力はあるものの、遠くは見えず、夕ぐれ時には役のたたないものでした。ほ乳類になってはじめて2つの眼が物を立体的にキャッチし、3次元の空間で、きっちりとらえるようになりました。
聴覚は気圧の変動を耳の細胞が知って、脳で理解します.ほ乳類が最初に生きていた頃、地上は昼間の明るい間、爬虫類に支配され、夜しか安全に活動出来ませんでした。そのため、敵を見つけるには匂いと音に頼っていました。この時期、とくに聞く能力が発達し、いままでバラバラの雑音であった音を頭のなかでくみたて、意味のあるメロディーや叫び声として捉える仕組み、時間の感覚が生まれました。
耳は多くの空気の振動にまぎれている音をとらえます.この形や色、音をブロックのようなまとまりに分解し、頭のなかで処理をしして、空間と時間の枠の中でそのブロックを組み立てなおします。 そして、敵がうなり声をあげておそってくるかどうかを一瞬のうちに判断します。こうして細切れのシーンはひとつにつながり、世界が動く画像として理解され始めました。
人間になると記憶が脳に貯えられ、心の中のイメージがさらに豊かになり、時間は空間と同じような感じで扱えるようになりました.そして、過去や未来がうまれ、空想することもできるようになりました。光る点から、星座をつくり、人や動物を想像し、文字を連ねて言葉が生まれ、それらをくみあわせて詩や物語をつくりました。