2007/12/09

月


先日、京都に行きました。
イチョウはまだ落葉せず、紅葉も12月になってみごろでした。

 冬の銀閣寺はいまだ秋。この銀閣寺の庭は有名で、砂の庭がきれいに掃かれ、広がり、
すり鉢状の砂山が連なる。
これは銀砂灘と向月台という。
 足利義政の山荘である慈照寺銀閣。昼間の太陽の下での庭というより、夜のための庭であり、
とりわけ月のための庭である。
 砂庭の向こうには、月待山があり、ここから月がのぼり、白砂に反射し幽玄の世界をつくる。
月夜に輝く銀砂、池に写る月。
金閣寺が権勢の象徴とする建物とすれば、足利義政は混乱する政治からの逃避し厭世、幽玄の世界を
つくるエネルギーにかえた。

 何事も夢まぼろしと思い知る 
         身にはうれひも悦もなし


 ルキノヴィスコンチィーの映画で有名なバイエルンの国王、ルードリッヒは多くの城や宮殿を造り、
政治には関心をもたず、勃興するビスマルクに国を併合され、国王の座をうばわれた。
 彼もまた、夜と月を好み、森の中を月光を浴び、馬で彷徨し、情熱の多くを、建築と芸術に注ぎ、
富はほとんどその為に浪費した。
ワーグナーの熱狂的擁護者であり現実逃避のもとに芸術と美を後世に残した。

時代と場所の全く異なる、中世日本とドイツが心情てきに共鳴しあう不思議さをおもう。

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