5月の連休中、六本木の森美術館で「マシンラブ ビデオゲーム、AIと現代アート」を観に行きました。ピープルのビデオ彫刻「ヒューマンワン」では、立方体の仮想空間で生まれた人間が、永遠に変化する動物や、虹、のデジタル世界を歩き旅する。時事刻々と変化する新しい彫刻で、人生をデジタル化した。
ルー ヤンの独生独死 人は一人で生まれ、一人で死ぬ 自我 では作者のアバターが、六道の仏教世界を彷徨する映像で、美しく刺激的な画像が次々にスクリーンで展開される。六道とは、仏教の教義でいう地獄道(じごく)・餓鬼道(がき)・畜生道(ちくしょう)・修羅(阿修羅)道(しゅら)・人道(人間)・天道の六種の冥界をいい、人は因果応報により、死後はこの六道を輪廻転生する。この世界を映像化し芸術とした。AIの技術によって色彩と形は、眩いばかりの映像を生み出し、人に働きかける。一方鑑賞者はその新しい芸術に対して、光の反乱に対して、感情は戸惑い、解釈する脳も混乱する。 宗教の世界、地獄極楽や天国地獄は人の想像力のよる世界で、古くからそれらの絵は描かれ流布してきた。映像の進歩は当然この世界をより鮮明により魅力的により精神の奥深くに働きかけるようになる。感情や宗教心は人間の未解明の本性であり、論理的思考とは別のシステムが関与している。それゆえに画像は言葉より直接的に人の心に働きかける。技術は急速に進化しても、人はほとんど変わらない。
AI時代の宗教はどうなるのかは、芸術や宗教の起源を知ることにつながっている。現在、日本の京都の高台寺で、観音菩薩のようなアンドロイド「マインダー」が般若心経に基づく説法を行っている。スイス・ルツェルンの聖ペーター教会では、機械の中の神(デウス)名付けられたAIホログラムのイエスが、信者の告白を受け、聖書に基づいた助言を提供している。またGoogleエンジニアのアンソニー・レヴァンドウスキー氏が2017年に設立した宗教団体があり、AIを神として崇拝することを目的として、AIとの「霊的なつながり」を求める人々が集まっている。もしAIが人の心を動かし、トランス状態にさせ、信仰と同じ感覚を生み出す事ができればAIがシャーマンとなる新たなカルト集団ができることになる。
ディムート シュトレーベの、AI言語モデルを使った、AIと直接対話出来る《エル・トゥルコ》という作品を見ました。これはAIと観客のアバターが対話するという観客参加型のもので、マイクに喋ると音声認識してAIと対話できる。実際に試してみると、まるで普通の人と対話をしているような感じで、しかも内容は結構複雑で、深い返事が返ってきました。同じ作者の、アバター同士の様々な会話をする「エリスのリンゴ」もあり、本物の人とアバターとロボットと、AIの進化はその間の境界を融合し、進化する。一方人の認識能力は進化しない、不気味の壁は、人間の能力はこれが働いて本物の人間と偽物の人間を判別する。しかしAIが進歩すればこの壁は、乗り越えられる。その時代はすぐにやって来そうです。このアバターとの会話で、今後、AIは人間の医師に代わることができるか聞いてみました。その返事は、かなり長く、結局、結論としては代わることはなく協業するであろうと答えました。
昨年、G7ヘルスサミットで、RAVATAR社のリアルな医師のアバターがステージに映し出され、観客からの病状と質問にリアルタイムで対話し、仮想患者の診断やアドヴァイスを行っている。この医師のアバターは大規模言語モデルと合成音声を組み合わせたシステムを使い、他言語に対応している。 AIのチャットGPTを使った心理療法は、心理療法として人間の心理療法士の代わりに使われてきた。現在、AIの進歩は心理療法や精神科の治療を変えつつある。音声と映像を使って難治性幻覚治療をしたり、AIの方が人に話すより相手を気にしないで、悩みを話せるとい言う人もある。また人間の療法士の前に最初の問診やつなぎの役割をAIに任せたり、人間の心理を理解する能力や、治療計画の能力はますます進歩して、複雑な診断や投薬能力は人間の能力を上回る可能性が高いと考えられています。
文章による診断、アバターよる診断、ロボットによる診断の進歩は加速し、数年後には、これらAI技術が人間の能力を上回る可能性があります。AIドクターは数年後に現実化するかもしれません。
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