今年も終わらない夏が続いている。日本列島の各地で40℃を超える。安定化した気候が崩れると生態系は変化し、地球上で生命の大絶滅が過去5回起きている。
地球と月にはほぼ同じ太陽のエネルギーがそそいでいる。月には大気がなく、水もなく、生命が生まれなかった。一方、今から20億年前には地球上の多くの生物が光合成で酸素を作り出していた。しかし海にあった鉄と結びついて、錆びて海底に沈んでしまい、嫌気性生物が生き延びていた。その後、酸素が作られ、好気的単細胞生物が現れた。そして酸素がしだいに多くなり、6億年前に海に動物が誕生した。
現在と同じ地球上の酸素濃度になったカンブリア紀に、大型の活動的動物が生まれ、微生物も生まれた。4億5000万年前には植物は陸地に進出し、それに動物も続いた。5億4000万年前にカンブリア紀に動物の体が大きくなり、動物進化のビックバンが起き、海中の生命は現在に近い様相になった。5億年から4億5000年前、植物と微生物がが陸上に初めて進出し、それに動物も続いた。4億年前のミミズのはった後の化石が見つかり、さらにその1億年後にダンゴムシが現れ、その後クモ、ダニ、ムカデ、昆虫が続き、両生類の後に大型の脊椎動物が地上に登場し恐竜時代をつくる。 隕石の地球との衝突がきっかけで、爬虫類とシダ植物の時代は終わり、哺乳類の時代が始まる。 地球上の長い歴史をたどると、古生代の古い両生類は、1000種が滅び、生き残った一種が原始的爬虫類を産み、その爬虫類も1000種が滅び、生き残った一種が中世代の恐竜の祖先になる。
この生態系を支えている生命の元は植物で、植物は太陽光を吸収して糖を作り出す光合成を行う。すべての生物は光合成に依存している。そして生き物を構成している窒素、リン、カルシウム、マグネシウム、カリウムは地球外からは、手に入らないので死んだ生物からこの物質を再利用している。この間地球に降り注ぐ太陽光エネルギーは、地軸の変化で大きく変動する夏に北半球に届く熱量が2%減るだけで、地球は氷河期に突入する。
生態系は、温度と降水量で異なる。北極海と南極の付近は、小雨、低温、永久凍土のツンドラに覆われ、それから少し離れるとタイガと呼ばれる広大な針葉樹林帯が広がる。温帯は、豊富な植物、豊かな土壌、大量の落ち葉と分解者の住む温帯林。雨が少なく土のやせた草原、そして降水量の少ない砂漠地帯になる。 赤道付近は降水量と湿度の高い、熱帯雨林、雨量の少ないサバンナ、砂漠となる。
海で生物が生まれる前、地球上に土はなかった。陸上は全て侵食された岩による不毛の地であった。その岩が風化し、砕かれ、植物や動物の遺体とそこに住むバクテリア、菌糸、小型の生物によってつくられ、そこに植物が根を張り、落ち葉が積もって分解され、豊かな土壌を作り出す。死んだ生物はバクテリアや菌類よって単純な無機化合物に分解される。そして、土に一時的に蓄えられる。枯れ葉は地面に落ちるとバクテリアや菌類に分解され土の一部になる。その土に生える植物は樹の根に住む菌類によって吸収され、葉を作る材料になる。
地球上の植生は主に気温と湿度に影響される。地球上の気候は最近の4万年
間のグリーンランドの表層の研究から、激しい変化を繰り返していたことがわかっている。7000年くらい前からそれが非常に安定し、人の文明の発展の時期と一致する。さらに起源900年から1990年のイギリスの年平均1000年から1300年にかけて気温は高く中世温暖期と呼ばれている。1500年から1800年にかけては、小氷河期と呼ばれる寒冷期になり、作物は取れず飢饉になった。日本でも同じような傾向が見られ、平安時代の温暖期があり、寒冷期の江戸時代にはコメなどの農作物の収穫量に大きな影響を与え飢饉になった。
産業革命以来世界の二酸化炭素の排出量は、年々増加し、世界中の多くの地域で暑い日が増え、寒い日は減る。今後100年間で起こる世界の気候変動のスピードは、この5000年間で人類が経験してきた変化の10倍以上になり、どこまで進行するかわからない。
今確実に進んでいることは、地球温暖化によってグリーンランドや南極の巨大氷床が崩壊し、夏になると北極海の氷が以前より大幅に解け、船舶の航行が可能となりホッキョクグマの生態にも変化をもたらしている。そしてメキシコ湾流や太平洋の黒潮の流れなど海洋循環の巨大な変化が起きている。その結果、世界中で旱魃や熱波、洪水やハリケーンの強大化起きている。
温帯の日本では、四季があり季節はめぐる。この気候は、海と陸の気流や海流に支えられている。これが温暖化によって変化すると、四季はなくなり、台風は強大化し、豪雨による河川の氾濫は頻発する。そして米やくだもの、野菜の生育に影響を与え、乳牛や豚の生育、海産物に悪影響が及ぶ。
温暖化による人への直接的健康被害は、熱中症の増加、下痢性疾患の増加、マラリアなどの感染症の増加がある。長期的には野生生物や種の消滅につながる。地球温暖化の生物多様性の影響は、気温が上がると生物の気候適応の範囲が減って、種は絶滅する。3度の気温上昇で20%から35%の種は消え去る。これは現在すでに海の中とりわけ珊瑚礁の生態系に大きな影響を及ぼしている。同じように3℃以上の温度上昇によって陸上では熱帯雨林の枯死が起こる。樹木が枯れると、蟻が減ってありどりは消え、日陰を好む蝶も消え、猿やジャガー、ピューマその糞や肉で生きている糞中類も消え、鳥類や哺乳類の病原生物にも影響は及ぶ。
気候の変動は地球生命圏にどんな影響を与えるのかは完全にわかっていない。しかし、気候、生態系は連鎖し、ある臨界点を超えるとカタストロフィックな変化を起こすことだけはわかっている。